フィンガーライムとは、柑橘類の一種である。
画像出典:(左)東京都薬用植物園にて筆者撮影/(右)新宿高島屋にて筆者撮影 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus australasica 原産地:オーストラリア 生態:常緑低木 オーストラリアが原産で、わが国には近年になって導入された新顔の柑橘類である。 樹高は2mから7mほどになり、枝は濃い黒緑色である。葉は長さ1cmから5㎝、幅3㎜程度の広卵形で先端が丸くなり、枝に互生している。ほかの柑橘類同様、葉腋に棘がある。 晩夏から秋にかけて直径5㎜程度の花を咲かせる。花は3枚から5枚の白い花弁からなり、花弁の基部が赤くなるのが特徴である。秋から冬にかけて柑橘類には珍しく、ソーセージのような長い楕円形の果実をつける。果皮色は緑色や赤、黒紫色など多彩。果肉、いわゆる砂じょうはプチプチとした食感で、その食感から「森のキャビア」「キャビアライム」という別名がある。砂じょうはピリッとした風味があって、マーマレードやピクルスを作る。 かつてはミカン属に分類されていたが、アメリカの植物学者のウォルター・テニソン・スウィングル(1871~1952)によりミカン属が細かく分類され、本種は一時的にミクロシトラス属に分類された。現在は分類方法を見直し、スウィングル以前の分類方法に従い、ミカン属に含められている。