ピタンガ(Pitanga)とは、果樹の一種である。
画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:フトモモ科エウゲニア属 学名:Eugenia uniflora 原産地:ブラジル南部、パラグアイ 生態:常緑低木 ブラジルやパラグアイなど、南米が原産の常緑低木で、わが国では普通温室栽培されるほか、沖縄県では露地栽培されることがある。 樹高は1m~2mに達する。葉は光沢のある緑でやや赤みを帯びる。おしべが多数突き出す5枚の花弁からなる白い花を咲かせたのち、直径2cm~3㎝の果実をつける。 果実は縦溝のある偏球形で、さながらカボチャを小さくしたような見た目である。これゆえ、古くは「カボチャアデク」という別名で呼ばれた。また、もう一つの和名に「タチバナアデク」があるが、これは語源が不明である。おそらくは扁平な果実の形状を柑橘類のタチバナにたとえたか、あるいは鮮やかな果実の色をカラタチバナのそれにたとえたのであろう。 当初は松脂のようなにおいがあるが、熟すにつれてこうした匂いは消え、果皮の色も黄緑色からオレンジ色、最終的には鮮やかな赤に変わる。熟すと甘みが出るので、生食されるほか、ジュース、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、果実酒にされる。ただし、赤くなるまで熟したものは柔らかいので日持ちが利かず、入手出来たら早めに食べるべきである。 「ピタンガ(Pitanga)」とはブラジルの原住民が話す言語のトゥピ語で「赤い果実」という意味である。