ヒメバショウ(姫芭蕉)とは、園芸植物の一種である。 [添付] 画像出典:新宿御苑にて筆者撮影 科名:バショウ科バショウ属 学名:Musa uranoscopos 原産地:中国南部、インドシナ 生態:多年草 別名:美人蕉(ビジンショウ) 中国南部からインドシナにかけての地域が原産で、我が国には徳川時代初期(西暦1681年頃ではないかとされる)に渡来し、各地の植物園の温室で栽培される。 原産地においては、雨林の林内に生息している。同属のバショウやバナナのように葉が折り重なって木の幹のようになり、「偽茎」を形成する。この「偽茎」の直径は5㎝で、全長は2mほどとなる。 葉は長楕円形で、全長1mほどとなる。茎の先に花序を直立してつけ、光沢のある鮮やかな朱色の苞から、橙黄色の花を咲かせる。この茎の先に花序を直立する点では、同属のアケビバナナ(ベルティナバナナ)と似ている。 和名は、全体的な草姿はバショウに似ているが、それよりも小さいことから。また、「美人蕉(びじんしょう)」という和名もあるが、これはおそらく苞を含めた花の美しさを、顔立ちの優れた女性に例えたのだろう。 ただ、本種はバショウとは異なり耐寒性はない(最低気温が10度を下回ると枯死する)ため、冬季は室内で管理する必要がある。