ヒハツモドキとは、香辛料の一種である。 [添付] 画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%8F%E3%83%84%E3%83%A2%E3%83%89%E3%82%AD 著作者:Kembangraps(CC0) 科名:コショウ科コショウ属 学名:Piper retrofractum 原産地:未特定 生態:つる性木本 中国南部、インドシナ半島、フィリピン、マレー半島、インドネシアなどで栽培されているが、原産地は特定されていないという。単に「ヒハツ」と呼ばれることもあるが、現在はこちらは同属のP.longumの和名として用いられる。 茎は蔓となり、褐色で直径2mmほどと細く、全体の長さは4mから5mほどになる。葉は長楕円形で先端がとがり、茎に互生して、基部はしばしば左右非対称、葉縁は全縁となる。 雌雄異株で、5月から7月に葉に対生ように花穂を出して上向きに花を咲かせる。果実は核果が円筒形状に集合したもので、当初は緑色だが、熟すと赤みがかった橙色に変色する。 果実(特に未熟な果実)や新芽を、琉球諸島(特に八重山諸島)や鹿児島県南部(与那国島)、中国南部、インドシナ半島、フィリピン、マレー半島、インドネシアで香辛料として利用する。これらの部位にははカプサイシンやピペリンが含まれているので、辛味がある。未熟な果実を乾燥させて炒り、粉に挽いたものをコショウのように用いるのである。たとえば、八重山そば*1にちょっとした風味付けをするために加える。ラーメンにコショウを少し振りかけるのと同じ感覚である。また、ステーキを焼く前にコショウ代わりに用いることもある。わが国では「島コショウ」や八重山諸島での現地名「ピパーチ」で知られており、乾燥した果実を粉に挽いたものが流通する。 薬草としても知られ、強壮、食欲増進、健胃整腸のほか、消化不良・関節痛・腰痛・咳などの改善に用いる。