バンウコンとは、香辛料の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ショウガ科バンウコン属 学名:Kaempferia galanga 原産地:インド 生態:多年草 インドが原産の多年草で、わが国には江戸時代末期に渡来し、飯沼慾斎の著した『草木図説』に初めて図版と解説がみられ、現在はまれに観賞用として出回るほか、各地の植物園の温室で栽培される。 草丈はせいぜい10㎝程にしかならないが、地下茎から全長10㎝程の幅広の線形の葉を地を這うように出している。冬には地上部が枯れ、土中の塊茎で越冬する。そうして、5月ごろに再び地表に葉を出す。夏に、茎の頂点に蘭の花を小さくしたような白と薄い紫のツートンカラーの芳香のある花を午前中に咲かせ、夕方にはしぼむ。花の直径は3㎝から4㎝で、唇弁は薄紫色に濃い紫色の斑点が入る。 根茎はカレー粉の材料として古くから用いられ、タイやマレーシアでは葉を野菜として食用にしてきた。根茎はショウガのそれににた刺激的な香りというよりは、防虫剤の樟脳のような独特の香りがあるという。