バラモンジン のバックアップ(No.1)

バラモンジン(婆羅門参)とは、西洋野菜並びに帰化植物の一種である。
[添付]
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:549_Tragopogon_porrifolius.jpg スウェーデンの植物学者のカール・アクセル・マグヌス・リンドマン (1856–1928) による図譜«Bilder ur Nordens Flora»より引用。著作権:Public domain


科名:キク科バラモンジン属
学名:Tragopogon porrifolius
原産地:地中海沿岸
生態:多年草
別名:サルシファイ、サルシフィ、セイヨウゴボウ、ムギナデシコ、オイスタープラント


 地中海沿岸地方が原産の多年草で、我が国には幕末期に持ち込まれたといわれ、同時期の植物学者・飯沼慾斎による植物図鑑『草木図説』に図版と名前がみられるのが最古の記録である。明治初期に野菜または観賞用にするために渡来したのち、明治末期までにはわが国の気候に順応し、帰化したといわれる。
 草丈は60㎝から120㎝となる。茎は中空で直立し、鮮やかな黄緑色で、毛はない。葉は細長い三角形で、先端が尖り、単子葉類の植物のように平行脈がみられる。こうした特徴は、同科別属のヒャクニチソウの類にもみられる。7月頃、茎頂並びに枝別れした茎の先に直径5㎝程度の花を咲かせる。花はいわゆる舌状花で、花弁の先端部では5つに浅く裂ける。総苞片は10個程度あり、それぞれ5㎝程度となる。花を咲かせ終わった後には、全長10~14㎜程度の円筒形の痩果をつけ、淡褐色に熟す。痩果は淡褐色ないしは白色の冠毛を持ち、それらがまとまって付き、球状となって、さながらタンポポ類のそれを思わせる見た目となり、種子散布方法もタンポポ類のそれに同じく、風に乗って運ばれる。
 地中にはゴボウに非常によく似た細長い根を伸ばし、若い芽とこの部分が食用になる。その見た目から「セイヨウゴボウ」の名称で流通することもある。牡蠣のようなうまみを持つことから、「オイスタープラント」の名称でも知られる。ゴボウとは異なり、ホクホクとした食感なのでシチューやスープの具材、バター焼きにする。
 和名の「バラモンジン」は「婆羅門参」の意味で、明代の本草学者(博物学者)・李時珍の『本草綱目』(1578年)によれば、インドの司祭の婆羅門*1が本種を唐の第9代皇帝・玄宗に献上したことに由来するという。また、「ムギナデシコ」とは、葉の形状を麦類に、花の形状をナデシコに例えたのではないかと言われる。

コメント Edit


URL B I U SIZE Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White

閲覧者数 Edit

現在1
今日3
昨日0
合計171

*1 サンスクリット語のブラーフマナ (ब्राह्मण)を音写した表記

ホーム リロード   新規 下位ページ作成 コピー 編集 添付 一覧 最終更新 差分 バックアップ 検索   凍結 名前変更     最終更新のRSS