バジル(目箒)とは、ハーブの一種である。 [添付] 画像出典:東京都千代田区四谷にて筆者撮影 科名:シソ科メボウキ属 学名:Ocimum basilicum 原産地:熱帯アジア 生態:一年草 熱帯アジア台湾、アフリカに分布する一年草草本で、我が国への渡来時期は意外と古く、江戸時代にはすでに渡来し、薬草として栽培されていた。 草丈は60㎝~90㎝程となり、茎には4つの稜がある。葉は先端の尖る卵型で、表面には鈍い光沢があり、茎に対生する。仏葉は鮮やかな緑色だが、「ダークオパール」という園芸品種のように紫色になるものもある。茎の頂点に花穂を出して花を咲かせる。1つ1つの花は白い唇型で長さは1cmとなり、雄しべは4本つく。 イタリア料理に欠かせない食材の一つで、トマトやチーズとの相性がいいのでパスタやピザ、サラダやソースに調理される。乾燥品も出回るが、香りは生の方が強い。この芳香の原因となる成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールである。これらの成分には精神をリラックスさせる効果や食欲増進作用、胃腸をあたためて消化を促す効果が知られている。なお、これらの成分の刺激性は低いので、生で食べることができる。 食物繊維を豊富に含むことから、種子もダイエット補助食品としても利用されている。本種の種子は水にぬれるとゼリー状のもので覆われるため、この食感を生かしてジュースやデザートに調理される。このゼリー状の部分はグルコマンナンによって構成される。 我が国でもこの種子を用いたが、それは食用としてではなく、いわば「目薬」としてである。水に濡らした本種の種子のゼリー状の部分で、目に入ったゴミを取り除くのに用いた。そこから、「メボウキ(目箒)」の和名がつけられた。