ハナズオウ(花蘇芳)とは、樹木の一種である。
画像出典:(左)自宅にて筆者撮影/(右)牧野記念庭園にて筆者撮影 科名:マメ科ハナズオウ属 学名:Cercis chinensis 原産地:中国 生態:落葉低木 中国が原産の落葉低木で、我が国には江戸時代に渡来し、岩崎常正の『本草図譜』にはすでに名前と色鮮やかな図がみられる。現在は公園樹や庭木によく利用される。 樹高は2mから4mとなる。幅が広く先端の尖る楕円形やハート形の葉をつけ、枝に互生する。葉はやゝ厚みがあって光沢があり、裏側は白みを帯びた黄緑色である。 3月下旬から5月上旬にかけて蝶形花をびっしりと束生して咲かせ、花の後にはサヤエンドウを小さくしたような豆果をつける。豆果の莢の色は当初は赤褐色であるが、熟すと黒ずんだ褐色となる。花色は紅紫色で、これがマメ科ジャケツイバラ亜科のスホウ?で染めた布を思わせることからこの名がある。とはいえ、実際の「蘇芳色」はくすんだ赤紫色という色合いで、本種の花はマゼンタに近い鮮やかな色合いである。園芸品種の中には「シロバナハナズオウ」と呼ばれる白い花を咲かせる品種もある。