ニッケイとは、樹木の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:クスノキ科ニッケイ属 学名:Cinnamomum sieboldi 原産地:南西諸島、台湾 生態:常緑高木 我が国の南西諸島や台湾、中国に生息する常緑高木で、わが国へは江戸時代中期に渡来し、「和漢三才図会」(寺島良安, 1712)や「大和本草」(貝原益軒, 1708)にはすでに利用法についての記述がみられる。1980年代には沖縄で本種の野生品が確認されている。 樹高は10m~15mで、葉は長楕円形で3脈が目立ち、互生する。初夏に枝先に小さな黄緑色の花を咲かせる。花の後には黒紫色の球形の液果をつける。 樹皮は近縁種のセイロンニッケイ(シナモン、Cinnamomum verum)やシナニッケイ(カッシア、Cinnamomum cassia)とは異なり、香り成分が少ないためあまり利用されないが、根の皮には強い辛みがあるため、香辛料にされる。