ニオイタコノキ(匂い蛸の木)とは、ハーブの一種である。 [添付] 画像出典:板橋区立熱帯植物環境館にて撮影 科名:タコノキ科タコノキ属 学名:Pandanus amaryllifolius 原産地:モルッカ諸島? 生態:常緑低木 東南アジアで古代から栽培されてきた常緑低木で、モルッカ諸島産の標本が初めて記載されたことと、標本の中に雄花が少ないことから、原産地はモルッカ諸島である可能性が高いとされる。 幹は直立し、樹高は3mないしは4mとなる。細長くて先端がとがり、さながら洋剣(サーベル)の刃(ブレード)のような見た目をしている鮮やかな緑色の葉と、タコノキ科特有の扇型に広がった気根を持つ。栽培化されたことで発生した突然変異によるものかどうかは不明なものの、花はめったに咲かず果実をつけないので、挿し芽で殖やす。 この葉はバニラやココナッツを思わせるような甘い香りがあり、インドネシアやシンガポール、マレーシア、スリランカ、タイなどでは「パンダン」「パンダンリーフ」という名称で用いられ、ご飯を炊くときに香りをつけるほか、スパイスとしてカレーに用いる。葉からは鮮やかな緑色の色素も抽出されるため、この緑色で染めたパンを焼くほか、ゼリーやシェイクなどのデザートを作る。食用色素で染めたようなきれいな緑色となり、見た目も涼しげである。 調理以外にも、葉は香水や伝統医療にも用いられるほか、防虫剤や消臭剤にも用いられる。