ナズナ()とは、野草の一種である。
画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:アブラナ科ナズナ属 学名:Capsella bursa-pastoris(L.)Medik. 原産地:温帯地域~暖帯地域 生態:多年草 世界の温帯地域から暖帯地域に分布し、各地の道端や田畑、庭の隅などにふつうにみられる多年草である。どこにでも生える植物であるため、土地がは荒れ果てた様子を掲揚する「ぺんぺん草が生える」ということわざや、何も残らない様子を揶揄して言う「ぺんぺん草も生えない」ということわざの語源となっている。 草丈は土壌の条件にもよるが、10㎝から70㎝に達する。根生葉は束生して地面に接する。それぞれの根生葉に柄があり、それを含めると全長2cm=13㎝となる。葉は全体的に深く切れ込み、羽状となる。茎から出る葉には柄はない。春に花を咲かせ、花を咲かせ終わった後に花序を伸ばす。花を咲かせ終わった後に三味線のバチを思わせるような形状をしており、それゆえ「ぺんぺん草」の別名でも呼ばれる。古くは里山の子供のおもちゃにされた。 本種は『春の七草』の一つとして知られ、七草がゆの具材として古くから利用されてきた。お浸し、和え物、煮びたし、汁の実のして食すと美味である。 お隣の中国では野菜として栽培され、栽培物のナズナは根生葉がわが国に産するものよりもけた違いに大きくなり、現地では餃子の具として利用される。さらに朝鮮半島にも、わが国と同じく本種の若い葉をおかゆに調理して食べる文化があるようだ。