ナシダケ のバックアップ(No.1)

ナシダケ(梨竹)とは、タケ類の一種である。
[添付]
画像出典:筑波実験植物園にて筆者撮影。


科名:イネ科ナシダケ属
学名:Melocanna baccifera
原産地:東南アジア
生態:多年生常緑タケ


 インドからミャンマーにかけての熱帯地域に自生するタケの仲間の一種である。わが国においては稈の高さは10m~20m程度となる。稈姿はマダケに似ていて、稈は薄く、その直径は3cm~8㎝程度である。葉は細長くて幅の広い披針形である。若い芽、いわゆる「たけのこ」は夏場に出る。本種を含めたタケ類は、数十年ないしは百数十年に一回、一斉開花を起こして枯れるという特殊な性質があることで知られている。このため、古くはタケの開花は凶事の前兆とされた。タケの一部だけを掘り取って、全く別の場所に植え替えても、やはり決まった時期に元の場所のタケと同調して、一斉に開花するという不思議な現象も知られている。
 本種は、48年周期で開花するという。本種の最大の特徴は、開花後に、洋梨形でイチジクの実程度の大きさの果実をつけることである。これが『ナシダケ(梨竹)』の名称の由来である。これは、タケ類の果実の中でも最大である*1。この果実は食用になるという。また、稈は丈夫なので、建築材として利用される。
 しかし、インドやバングラデシュにおいて、本種の果実を餌にするネズミの大量増殖を引き起こし、集落の食料が全て食べ尽くされてしまった例が知られている。こうした事例は、1815年、1863年、1911年、1958年~1959年とちょうど48年周期で起こっていて、それらの記録によって、開花周期が判明したのである。こうした点を除けば、本種は他のタケ類同様、有用な植物であるといえるだろう。

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*1 普通、タケ類の果実は米粒ないしは麦粒程度である

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