ドクゼリとは、有毒植物の一種である。 [添付] 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Cicuta_virosa_-_K%C3%B6hler%E2%80%93s_Medizinal-Pflanzen-038_cropped.jpg 科名:セリ科ドクゼリ属 学名:Cicuta verosa 原産地:ユーラシア大陸 生態:多年草 我が国の北海道から九州に分布するほか、ユーラシア大陸(日本以外の東アジア・ヨーロッパ)や北米などに分布する多年草である。 草姿はセリに非常によく似ているが、全体的に大ぶりで、セリ特有の香りがない。淡水中に生え、草丈は60cmから100cmに達する。葉は2回から3回の羽状複葉である。小葉は長楕円状披針形で、長さ3~8cm、幅5~20mmになり、縁には鋸歯があり、葉を摘み取っただけではますますセリと見分けがつかなくなる。夏に、花茎を伸ばして先端に複散形花序をつけ、球状に白色の小花を多数つける。 また水中から生えるためか、根の形状がかなり特殊であり、地下茎がある。この地下茎は筍状となり水に浮く。割ると内部に節があり、それぞれが空洞となっているので水に浮いているとわかる。この地下茎は形状が面白いので、かつては「延命竹」「万年竹」の名称で水の入った鉢に浮かべて観賞用にすることもあったという。 しかし、本種を食せば、延命どころかほぼ間違いなくあの世行きである。誤って食せば、本種に含まれる毒素・シクトキシンにより嘔吐や精神錯乱が引き起こされ、ついには呼吸困難に陥って命を落とす。やはりセリに酷似した葉を食べたことによる中毒例が多いのだが、かつて江戸時代の商人が本種の地下茎をワサビの新種と誤ってすりおろして夕餉の付け合わせとして食べ、激しい中毒症状の果てに悶死したという痛ましい事故の記録もある。 しばしば間違えられることの多いセリとは、以下の点で区別する。わかりやすくするために、以下の表にまとめた。