トウシキミ(唐樒)とは、香辛料の一種である。 [添付] 画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%9F 19世紀の植物学者・Pierre Jean François Turpinによるトウシキミの植物画。 科名:マツブサ科シキミ属 学名:Illicium verum 原産地:中国(広西チワン族自治区)~インドシナ 生態:常緑小高木 別名:スターアニス、ダイウイキョウ 中国からインドシナにかけて生育する常緑小高木で、わが国への正式な渡来時期は不明だが、江戸後期の植物図鑑『本草図譜』には西洋の図譜から転写された本種の図が収録されている。 樹高は10m前後で、葉は2cmほどの先端がとがる披針形となり、枝に互生する。春と秋の二回、葉腋から花茎を出し、芳香のある赤い花を下向きに咲かせる。花の後には袋果が星形に集まった集合果で、それぞれの袋果がやや上向きに曲がる。熟すと褐色に変色し、種子を露出して特有の芳香を放つ。 本種の果実は「八角」という名称で流通し、豚の角煮などの中華料理やマッサマンカレーなどのタイ料理用の香辛料として用いられる。香辛料以外にも、健医薬やインフルエンザの治療薬・タミフルの合成原料にも用いられる。 本種の果実は有毒植物のシキミのそれとよく似ているので、中毒事故が起こりやすい。以下に、本種とシキミの果実の相違を記載する。