ディル(蒔蘿)とは、ハーブの一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:セリ科イノンド属 学名:Anethum graveolens L. 原産地:中近東 生態:一年草 別名:イノンド インドからイラン地域が原産の一年草で、我が国には江戸時代に渡来し、「イノンド」という名称で薬草として栽培された。 葉は細く切れ込んだ線形で、全体の草姿も含めてウイキョウと非常に似ているが、ウイキョウの草丈が2m程度となるのに対し、本種の草丈は60㎝から100㎝となる点で区別できる。初夏から夏にかけて茎の先に黄色い散形花序を出して花を咲かせる、花の後に果実(蒴果)を結び、卵形で香りが強い。 乾燥させた果実をスパイスとしてソースやスープに用いるほか、葉を刻んで肉料理のソースとする。食用以外にも、種実を乾燥させたものを「蒔蘿実」と呼び、生薬として用いる。