ツリガネニンジンとは、山菜の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:キキョウ科ツリガネニンジン属 学名:Adenophora triphylla 原産地:東アジア 生態:多年草 わが国の各地をはじめ、台湾や朝鮮半島、中国に分布する多年草である。山地に生え、草丈は60㎝から100㎝ほどである。茎葉は卵状楕円形で鋸歯があり、3~4個が輪生するかまれに対生する。夏の盛りから秋の盛りにかけて、茎の上部に薄紫色または白色の釣鐘状の先端が5つに裂ける小さな花を輪状に咲かせる。萼片には鋸歯がある。若芽は「トトキ」と呼ばれ、春の山菜としてあえ物や菜飯、炒め物などで親しまれる。長野県に古くから伝わることわざで、「山でうまいはオケラにトトキ 里でうまいはウリ・ナスビ 嫁に食わすは惜しうござる」と褒めたたえられるほどである。花も食用になり、酢の物や椀種で親しまれる。 和名は、根の形状がニンジン(野菜のニンジンではなく薬草のオタネニンジン)に似ていることによる。この根もオタネニンジンのように滋養強壮の効果を期待して利用され、きんぴらなどにする。