セイシカ(聖紫花)とは、ツツジ類の一種である。 [添付] 画像出典:小石川植物園にて筆者撮影 科名:ツツジ科ツツジ属 学名:Rhododendron leiopodium Hayata 原産地:沖縄、台湾 生態:常緑小高木 沖縄県の石垣島や西表島、台湾に分布する常緑小高木で、川沿いの林内や林縁の岩上に生育するほか、観賞用にするために栽培することがある。 樹高は普通2mから5mだが、生育条件が良ければ10mに達することも珍しくないという、枝には毛はなく、よく分岐する。葉は互生し枝先に集まってつく。葉の形状は先端の尖る楕円形で、全長5㎝から10㎝となり、厚みがあって柔らかく、少し光沢が出る。脈は葉の表面でよく目立ち、やゝへこんでいる。 晩春に枝先に直径6㎝程の大輪の花を1個から2個つける。花は先端で5つに裂け、全体的な色合いは薄桃色で、それぞれの花弁の先端に濃い桃色の斑点が出る。雄しべは10本で、花糸の基部に白く短い毛が生える。
[添付] 画像出典:小石川植物園にて筆者撮影 セイシカの変種と目されるツツジ類の一種であるが、独立種とみなされることもある。樹形はセイシカに似ているが、葉の形状が幅の狭い楕円形であることと、葉脈があまり目立たないこと、開花時期が3月からとやゝ早いことで区別される。 また、花の色合いも異なっており、花弁の色は淡い桃色であるが、花弁の先端付近の斑点は黄色である。