スイートピー(香豌豆)とは、園芸植物の一種である。 [添付] 画像出典:自宅近くの栽植を筆者撮影 科名:マメ科レンリソウ属 学名:Lathyrus odoratus 原産地:シチリア島 生態:一年草 イタリアのシチリア島が原産の一年草で、我が国には万延元年(1860)年に帰国した遣米使節、および文久二年(1862)年に帰国した遣欧使節の一行が持ち帰った海外産の植物の種子の中に本種が入っていたことが最古の記録である。 葉から花に至るまでの草姿はエンドウに似ているが、蔓が太くてひれのような部分がある点と、花に甘い香りがある点でだいぶ異なる。蔓は全長3mから4mほどとなる。3月から5月にかけて芳香ある花を咲かせる。この香りから古くは「ジャコウエンドウ」「ニオイエンドウ」と呼ばれた。花はいわゆる蝶型花で、白や赤、ピンク、薄い紫色など色彩が豊富である。近年は青紫色の花を咲かせる品種も開発されている。また、花色が黄色やオレンジ色のものを花屋で見かけることがあるが、それは白色などの花色の薄いものに色付きの水を吸わせたものである。 花を咲かせたのちはサヤエンドウを一回り小さくしたような果実を実らせる。本種は園芸植物として知られ、花後の後の豆果は一見するとおいしそうに見えるが、同属の有用植物であるガラスマメが有毒植物としても知られており、少量であれば問題は起きにくいが、種子を多量に摂取すると、下半身が麻痺する「ラチルス病」を起こすことが知られている。本種にも同様の危険性があるので、種子を小さな子供やペットの手が届く場所に放置してはいけない。