ジャーマンアイリスとは、花きの一種である。
画像出典:(左)東京都薬用植物園にて筆者撮影/(右)埼玉県川越市にて筆者撮影 アヤメ科アヤメ属 学名 Iris germanica 原産地:ヨーロッパ(あくまでも推定) 生態:多年草 野生品のアイリス・ゲルマニカをもとにパリダ種(I. pallida)、バリエガタ種(I. variegata)、シプリアナ種(I. cypriana)、メソポタミカ種(I. mesopotamica)、トロヤナ種(I. trojana)、カシュメリアナ種(I. kashmiriana)などの多くの種を交配して改良された園芸植物で、野生品は存在しない。1800年代の初期にドイツ、フランスで品種改良されたのが始まりであるとされ、我が国への正式な渡来時期は不明だが、遅くても昭和戦前期には渡来したとみられており、戦後になってアメリカからの本格的な導入が始まってから現在に至るまで「ドイツアヤメ」という名称で花壇に栽植される。 乾燥した土地を好み、低温にも耐性がある。根茎は太く、地下に張り巡らされており、早春にそこから芽を出す。葉は先端の尖る幅の広い洋剣状で、やや粉を吹いたような質感である。花の特徴としては、内花被片は大きく発達し、外花被片にひげ状の突起があることが挙げられる。花の色の種類も豊富で、紫色や黄色、白、ほぼ完全な青色に近い色合いの青紫色などもある。現在園芸品種には完全な赤色はないが、その系統であるワインレッドカラーの品種も存在し、そう遠くないうちに赤色系統の品種が作出されることが期待されている。