ショウブ(菖蒲)とは、多年草の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ショウブ科ショウブ属 学名:Acorus calamus 原産地:東アジア、シベリア、マレーシア、インド、北アメリカ 多年草 我が国を含めた東アジア、シベリア、マレーシア、インド、北アメリカなど北半球に分布する多年草で、湿地に生息する多年草である。 草丈は50㎝から80㎝で、太くて筋のある根茎は横に這っており、根茎の頭から芽を出し、成長した葉は根元で固まって直立する。葉には特有の芳香があるが、これはテルペンやアザロン、オイゲノールなど複数の成分によるものであるとされている。 葉は幅1㎝から2㎝程の幅で、先端は鋭く尖る。5月から7月にかけて、葉と葉のあいだから葉の長さの半分ほどの花茎をだし、淡黄緑色の肉穂花序をつけ、黄緑色の極小の花をまとまって咲かせる。 端午の節句(こどもの日)には生の葉を束ねたものや入浴剤のように粉末状にしたものを湯船に入れ「菖蒲湯」にすることでつとに有名である。これは「菖蒲」と「尚武」をかけた洒落であり、これに類似する風習は古代中国にあったとされる。 また、根茎は漢方の世界で「菖蒲根(ショウブコン)」と呼ばれ、胃薬や鎮痛剤、鎮静剤として用いる。インドやヨーロッパ、アメリカにおいても本種の根茎は古くから消化不良、発熱や胃痙攣、&ruby(pronunciation){words};(さしこみ。激しい腹部の痛み)の治療薬として利用されている。