ザゼンソウ(座禅僧)とは、山野草の一種である。 [添付] [添付] 画像出典:http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/zazensou.html 写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市) 科名:サトイモ科ザゼンソウ属 学名:Symplocarpus renifolius 原産地:日本・ロシア 生態:多年草 本州、北海道、およびサハリンやウスリー、アムールなどの地域に分布する多年草である。谷間の景地に生息する。 葉は根生して全長30㎝~40㎝程となり、広い卵型で先端がとがる。縁はやや波打つ。 早春~春(3月~5月)に葉よりも先の時期に肉厚な黒みを帯びた紫色の仏炎苞を展開し、花を咲かせる。仏炎苞が鮮やかな緑色ないしは緑地に紫色の模様がやや入るものもあり、そちらは「アオザゼンソウ」と呼ばれる。仏炎苞に包まれた黄色い棒状のものが本物の花で、「肉穂花序」と呼ばれるものである。 花は肉穂花序に密生し、花被片及び雄しべ4個、雌しべ1個がある。この花には特有の臭気があり、花を咲かせる際には周辺の雪を解かすような熱気を出す。 和名の「ザゼンソウ」は花序の姿を、座禅する僧侶にたとえた。 北米にはアメリカザゼンソウという山野草がある。 湿地帯でよく見られる植物で、花と葉に強烈な臭気があることから「スカンク・キャベッジ」と呼ばれる。これはわが国のザゼンソウとは草紙がよく似ているが、仏炎苞が鮮やかなレモンイエローになる点で区別できる。現地では若い葉や根、茎を煮て食べるというが、全草にサポニン・アルカロイドを含んでおり(これはわが国のザゼンソウも同様)、誤食すると嘔吐や下痢、ひどい場合には呼吸困難や心臓麻痺を引き起こす場合があるため、しっかり加熱されてから食用にしてきたという。