サンショウバラ(山椒薔薇)とは、樹木の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:バラ科バラ属 学名:Rosa hirtula(Regal) Nakai 原産地:日本 生態:落葉小高木 静岡県、神奈川県、山梨県など富士山を中心とした周辺地域の山地に生息する落葉小高木である。 樹高は生育条件によりまちまちであるが、1mから6mとなる。バラ類というのは得てして枝に棘が多い樹種であるが、枝には鋭くてかたい棘が多く生えている。 葉はいわゆる奇数羽状複葉で、全長1.5㎝から3㎝となる4対~9対の小葉からなる。この葉の付き方がサンショウを思わせるので、「サンショウバラ」の和名がある。初夏に小枝の先に直径4㎝から7㎝の薄い桃色の花を1つ咲かせる。花柄や蕚筒にも棘が密生する。丸みを帯びた形状の果実にも棘が多く密集し、当初は暗い緑色であるが、熟すと黄色に変色する。この果実は時に酒につけて薬用酒とされるようである。 現在は絶滅危惧II類 (VU)に指定されているので、野生品を摘み取ってはならない。現在はインターネット通販で苗木が手に入り、「原種系バラ」としてバラ愛好家に好まれ栽培されている。