コブシ(辛夷)とは、花木の一種である。 [添付] 画像出典:小石川植物園にて撮影 科名:モクレン科モクレン属 学名:Magnolia kobus DC var.kobus 原産地:日本、朝鮮半島 生態:落葉高木 我が国の各地や朝鮮半島南部の温帯地域ないしは暖帯地域にかけて分布する落葉高木である。 山地の林内に生えるほか、現在は観賞用のため庭に植えられることが多い。樹高は8m前後で、樹皮はやや褐色がかった灰色である。小枝は緑色で、傷つけると後期を放つ。葉は長さ9㎝から17㎝の幅広い楕円形で、先端がとがる。早春に葉より先に小枝の先に直径9㎝程の白い花を1つずつ咲かせる。花はよい香りを持ち、蕚片は広い線形である。初夏にうねったような独特の形状の果実をつけ、赤い種皮とともに種子を露出する。 和名のコブシはつぼみの形を人間の握りこぶしにたとえたとも、はたまた果実の形状を人間の握りこぶしにたとえたともされる。古くはコブシハジカミと呼ばれたが、これは実を噛むとハジカミ(サンショウ)のような辛みがあることから。 漢字表記の「辛夷」は本来はモクレンの漢名であるが、誤って本種に用いられて以来、本種に宛てられるようになった。