コショウソウとは、野菜の一種である。 [添付] 画像出典:コショウソウのスプラウト。池袋の百貨店にて筆者撮影 科名:アブラナ科マメグンバイナズナ属 学名:Lepidium sativum 原産地:ユーラシア大陸 生態:一年草 別名:ガーデンクレス、クレス イランからヨーロッパ南部が原産の一年草で、我が国へは明治ごろに西洋野菜の一種として導入され、普段使いというわけではないもの、百貨店に若芽(スプラウト)、いわゆる「もやし」がサラダ野菜として出回ることがある。 草丈は30~60cmほどになる。葉は羽状複葉で、葉柄があり、茎に対生する。上部に行くほど葉は細くなり、葉柄を伴わなくなる。春に小さな白い十字型の花を咲かせる。キャベツやカブ、ハクサイなどの属するアブラナ属の花やダイコン属の花の花弁が先太りになるのに対し、本種の花の花弁は楕円形である、花を咲かせ終わった後、小さな団扇のような形の蒴果を実らせる。蒴果の中には2個の種子が入っており、全長5mm程の平たい楕円形で、赤褐色である。 葉や種子、若い芽が食用になり、コショウのようにピリッとしたさわやかな辛さがある。このピリッとした風味はベンジルイソチオシアネートなどの複数の辛み成分を含んでいるためである。また、多量のビタミンCも含み、ビタミンC欠乏症に効果があるといわれ、健康野菜として知られる。さらに近年の研究で、本種の若芽、いわゆる「もやし」には、ブロッコリースプラウト同様に強い抗酸化力をもつ「スルフォラファン」という成分が含まれていることが分かっている。この成分はいわゆる「アンチエイジング効果」を持っていることで知られている。加齢によるシミ・そばかすを抑える効果が期待できるため、美容化粧品に利用されることが増えている。 園芸店の通販で種子が通年売られているので、通年種子を手に入れて栽培することができる。栽培する際には、畑やプランターに播種し、成長して以降は定期的に葉を刈り取るようにすれば、通年利用できる。