グロリオサとは、園芸植物の一種である。 [添付] [添付] 画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:イヌサフラン科(旧ユリ科)キツネユリ属 学名:Gloriosa superba 原産地:アフリカ、熱帯アジア 生態:つる性多年草 アフリカ南部や熱帯アジアが原産の蔓性多年草で、我が国への正式な渡来時期は不明であるが、エキゾチックな雰囲気を演出するための夏の花壇の素材やフラワーアレンジメントの素材として人気を誇っている。 本種は蔓性かあるいは半立ち性で、原産地では丘陵などの半日陰に生えており、草丈は1m~1.5mほどの大きさとなる。 春に、細長い棒状の球根から芽を出して成長する。葉は卵形で対生し、葉先は巻きひげとなってほかのものに絡みつく。 夏に細長い6枚の花弁からなる、黄色と朱色の火炎のような見た目の花を咲かせる。花弁は1枚1枚が細長くなり、縁は大きく縮れる。花弁が開き切ると、車輪のスポーク部分のような見た目となる。 現在は「グロリオサ」という名称で流通することがほとんどだが、かつては花の色合いからか「キツネユリ」、または開き切った花の形状から「ユリグルマ」とも呼ばれた。 本種は園芸植物としてすっかりおなじみになった花だが、有毒植物としても知られている。棒状の球根はヤマノイモそっくりの見た目をしているが、猛毒である。実際に、この球根部分を誤って食し、死亡した例が知られている。球根を冷暗所に保存する際には、ヤマノイモと間違えないように食用の芋類と一緒に保管しないとか、球根の置き場所をわかるようにしておくといった工夫をすることで、中毒を防ぐことができる。 以前の分類法ではユリ科に属していた本種だったが、近年DNA解析により、新しく「APG分類法」が運用され、「ユリ科」というグループが大幅に見直された。本種もイヌサフランやホウチャクソウ、チゴユリとともに「イヌサフラン科」という科に分類されることとなった。なお、「イヌサフラン科」に分類された植物のほとんどは大なり小なり有毒である。