クロチク(黒竹)とは、竹の一種である。 [添付] 画像出典:埼玉県所沢市の料亭近くにて 科名:イネ科マダケ属 学名:Phyllostachys nigra var. nigra 原産地:中国 生態:多年生常緑竹 中国中部原産の竹類で、我が国では観賞用として古くから栽培されている。桿の直径は2~3cmほどと竹類の中では細い部類に入り、樹高は3~5mほどになる。 桿は植えはじめの頃は緑色であるが、夏を過ぎるとだんだん黒ずんできて、2年ほどで真っ黒ないしは黒みの強い紫色になる。 60~120年周期で開花をするため、滅多に見ることが出来ない。全ての竹類に言えることだが、竹類は藪を形成したのち、おおよそこの周期で花を咲かせ、そうして花を咲かせることに養分を全振りするので、一斉に枯れてしまうのである。それゆえ、古い時代に一部の地域では、竹の花は凶兆とされた。 本種を日当りのよい乾燥地に植えると、日がよく当たるので稈の色合いは鮮やかな黒色となる。この黒い色素はメラニンによるもので、表面の黒色は切り落として乾燥させてからも褪せることはなく、その色合いを生かして庭園に植栽されたり、建築用や装飾用に利用されるほか、工芸品の素材とする。