ギンセンカとは、帰化植物の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影。 科名:アオイ科フヨウ属 学名:Hibiscus trionum 原産地:ユーラシア・アフリカ 生態:一年草 ユーラシア大陸またはアフリカ大陸に広く分布する1年草で、観賞用にするために栽培されるほか、こぼれダネで繁殖して道端で野生化している例も知られる。 わが国には徳川時代後期に園芸植物として渡来し、幕末期の旗本で本草学者の馬場大助の手掛けた西洋の植物の図譜『遠西舶上画譜』に本種の彩色図版が収録されている。 茎はやや斜め上に上がるようにして成長し、草丈は30㎝から60㎝程になり、白く粗い毛がある。 葉は茎に互生し、上部にある葉は3つに裂けている。夏から秋にかけて、同じ科のオクラの花を小さくしたようなクリーム色の5枚の花弁からなる花を咲かせ、正午にはしぼむ。 和名は「銀銭花」と書き表し、花の形を銀貨にたとえたのである。また、朝露草(チョウロソウ)という別名もある。これは園芸界での呼び名で、朝早くから花を咲かせて正午にしぼむ花の様子を朝露のはかなさにたとえた、なんとも風流な命名である。中国では『野西瓜苗』と表記する。これは、葉の切れ込んだ形をスイカの葉にたとえ、かつ本種が野生化していることを示す名でもあるといえる。