キュウリは、未熟果を野菜として食用にする有用植物の一種である。
蔓性の一年草で、支柱などに絡めて栽培される他、ウリのように地這栽培されることもある。 葉は掌状葉で、茎や葉に細かく硬い毛が生え、触るとチクチクすることがある。 鮮やかな緑色の果実は細長くて棘があり、新鮮なものほど棘は鋭い。熟すと太くなり、黄色くなって柔らかくなる。 古くはこの熟した果実を食べていたため黄瓜の名で呼ばれていた。しかし熟した果実は酸味が強く、渋みすらあるためだんだんと熟果を食用にすることはなくなった。かと言って、未熟果も青臭さが強く、味も苦いためなかなか食用にはされず、忌み嫌われた。 特に、江戸時代にはキュウリの輪切りが徳川家の葵の家紋に見えるということで、民衆はともかく、多くの武士は畏れ多いとしてキュウリを食べなかった。食用としての大きな広がりは明治になってからである。 漢名の胡瓜は、古代中国の漢王朝の皇帝・武帝が将軍の張騫に命じて匈奴*1に対する同盟を説くために大月氏*2。匈奴とはライバル関係にあった)へと赴かせた際に、同盟の交渉こそ失敗したが、胡桃(くるみ)や胡麻(ごま)など、胡(北方の異民族)の産物を持ち帰ったことから。