キショウブ(黄菖蒲)とは、帰化植物の一種である。
画像出典:いずれも埼玉県所沢市にて筆者撮影 科名:アヤメ科アヤメ属 学名:Iris pseudoacorus 原産地:西アジアからヨーロッパ 生態:多年草 西アジアからヨーロッパにかけての地域が原産の多年生草本植物で、我が国には明治時代になって観賞用目的で導入されたのち、現在は各地の路傍に帰化しているほか、観賞用目的で庭に植えることもある。 たいていは水辺や湿地に生息し、草丈は60㎝~100㎝程になる。葉はいわゆる「根生葉」で、根生葉は2列に出て、全長60~100cm、幅1.5cm~3cmの細長い洋剣を思わせる見た目で、全縁となる。5月~6月にかけて花茎を出し、その先端に直径8cmの「アヤメ型」ともいうべき形状の黄色い花を咲かせる。3枚の長い外花被片が垂れ下がり、3枚の短い内花被片が立ち上がる見た目である。 その繁殖力の旺盛さにより、わが国における在来種の草花への危害が予想されており、環境庁の要注意外来生物に指定されている。そのため、「花壇で栽培するにあたっては、逸出を起こさない」ことが何より必要であり、環境庁は「既に野生化した個体が生息する湖沼等があり、在来種との競合・駆逐等のおそれがある場所については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる」と警告している。