カンキチクとは、観葉植物の一種である。 [添付] 画像出典:小石川植物園にて筆者撮影 科名:タデ科カンキチク属 学名:Homalocladium platycladum 原産地:ソロモン諸島 生態:多年草 ソロモン諸島が原産の多年草で、わが国には明治初期に渡来している。 草丈は50㎝から300cmに成長する。本種の特徴は、なんといっても幅広でどこかサボテンとか竹のたぐいを思わせるような変わった形状の茎であろう。 これは、植物学の専門用語でいえば、「葉状茎」というもので、茎として自身の体を形作り、かつ葉のように光合成をおこなうという一人二役を担っているのである。本種は葉をつけることはあるが、それもかなり小さく、茎がまだ若いうちに光合成を助けるためにつける、いわゆる「スペア」のようなもので、茎がある程度成長すると、葉は成長せずにポロリと落ちてしまうのである。 茎は成長するにつれ次第に円柱形になり、節ごとに膨れて本物の竹そっくりになる。夏に節の部分に白い花を咲かせるが、かなり小さくて目立たない。秋ごろに米粒より少し大きいくらいの赤い楕円形の果実をつけるが、これは茎の緑色と相まって小さいながらも非常によく目立つ。 和名には「寒忌竹」という字を当てて、「寒さを嫌う」ということで古くから室内や温室で栽培されてきたが、実際はそれなりに耐寒性はあるという。