カタバミ(片喰)とは、雑草の一種である。
カタバミとアカカタバミ。画像出典:左右いずれも東京都千代田区四ッ谷、真田グラウンドにて撮影 科名:カタバミ科カタバミ属 学名:Oxalis corniculata L. 原産地:世界各地 生態:多年草 日当たりのよい道端や耕地にありふれた多年草で、熱帯から温帯にかけて世界的に分布している。わが国には『本草和名』にはすでに名前がみられることから、そのころにはすでに生息していたものと思われる。 草丈は10㎝から30㎝程度になり、茎は地上を這うか、一部が斜め上に立ち上がる。葉は3つのハート形の小葉からなる複葉で、長い葉柄がある。昼間には開いているが、夜には眠るように閉じる。裏面には毛がある。 春から秋にかけて直径8㎜程度の黄色い5枚の花弁からなる花を咲かせ、花の後には先端のとがる円柱形のオクラのような蒴果をつけ、熟すとわずかな衝撃で茶色い極小の種子を四方八方に散布する。 変種としては、全体的がカタバミより小さくなり、暗い赤紫色を帯びて濃い黄色い花を咲かせ、花の中心部分が赤くなるアカカタバミ(f.rubrifolia)や、全体が多少とも赤紫色を帯びるウスアカカタバミ(f.atropurprea)が知られる。これらはカタバミと同じ場所に生育していることが多い。 葉にはシュウ酸を含んでおり、酸味がある。葉を生食や汁の実、酢の物、漬け物、天ぷら、炒め物などにして食用にすることができるが、多食すると尿路結石民間療法では、全草を煎じて飲むと淋病や痔に効果があると言われており、かゆみ止めや虫刺されには本種の茎の汁を患部に塗るとよいといわれる。 昔はカタバミの葉で10円玉をこすると、くすんだ色合いの10円玉が光沢を取り戻してピカピカになるのを面白がっていたが、これはカタバミに含まれるシュウ酸の作用である。科こそ違うが、古くはルバーブの葉を錆取りの代用として用いており、これもルバーブの葉に含まれるシュウ酸の効果である。