オルキス・マスクラとは、蘭の一種である。 [添付] 画像出典:https://botanic.jp/plants-aa/orcmas.htm 「ボタニックガーデン」の「オルキス・マスクラ」のページから。 科名:ラン科ハクサンチドリ属 学名:Orchis mascula 原産地:ヨーロッパ 生態:多年草 ヨーロッパが原産の蘭類で、標高2650m未満の草の多い牧草地や潅木帯、林などに生えている。 草丈は50㎝~60㎝程になり、茎は直立し、基部は緑色、頂部は紫色となる。葉は長楕円状披針形で淡い緑色を呈し、ときに紫色のシミのような模様が入ることがあるが、これは本種の特生であって、病気や害虫によるものではない。 茎の頂部に円筒状の穂状花序を出し、桃色から紫色の花を密集して咲かせる。花の構造としては、唇弁は3つに裂け、基部には紫褐色の斑が入る。 地下に塊茎を持ち、塊茎には「グルコマンナン」と呼ばれるデンプンに似た多糖を豊富に含んでいる。トルコなどいわゆる「中近東」と呼ばれる地域では、本種から取り出した多糖は「サレップ」の名称で呼ばれ、料理、それも甘いデザート類には欠かせない食材となっている。わが国で「トルコアイス」の名で知られる「ドンドゥルマ」というアイスクリームは、このサレップが使われているので、非常に粘り気がある。わが国では栽培が難しくて本物のサレップが入手しにくいことから、代替品として米粉や海藻から採った増粘剤が用いられる。