オニフスベ(鬼瘤)とは、きのこの一種である。 [添付] 写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市) 科名:ハラタケ科ノウタケ属 学名:Calvatia nipponica 原産地:日本 生態:担子菌類 別名:きつねのへだま 晩春から秋にかけて草地や畑、果樹園などに生息するきのこの一種である。一夜にして発生するため、驚かれることがある。ま、突然地面からバレーボールのようなものが湧き出ていたら驚くのも無理からぬ話ではあるが。形状はバレーボールのような球形で、ふつう20㎝内外であるが、条件が良ければ子実態の直径が50㎝を超えることも珍しくないという。 当初は純白で、分厚い川におおわれているが、内部から熟していくにつれて灰色がかった褐色の液体を出し、ジュクジュクに柔らかくなって崩れていく。そうして、完全に老いると皮が破れて胞子を露出する。 本種は食用としても知られ、はんぺんのような味があって焼いて食べると美味であるとされる。江戸前期の百科事典『和漢三才図会』にはすでにそのことが記されているので、そのころから食用にする習慣はあったようである。しかし、これは若いうちの話であって、老熟したものはアンモニア臭がきつくて食用には向かなくなる。 その成長の様子は長らく明らかにされていなかったのだが、『ザ!鉄腕!DASH!!』の企画「DASH村」において、「シイタケ栽培記録」の企画の下、24時間体制で回していた観察カメラが、偶然にもシイタケを栽培している側で胞子が飛んできたであろうオニフスベの成長する様子が写っていたことで明らかになった。