ウマグリとは、樹木の一種である。フランス語名の「マロニエ」の名称の方が通りがよい。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ムクロジ科トチノキ属 学名:Aesculus hippocastnum 原産地:欧州 生態:落葉高木 別名:セイヨウトチノキ、マロニエ バルカン半島が原産の落葉高木で、わが国には明治時代に渡来し、街路樹として栽培される。 樹高は20mから25mほどで、葉はトチノキのように掌状になるが、それよりは幾分か小さくなる。 春に枝先に円錐花序を出して花を咲かせ、花の色合いは白にやや紅が差すような見た目で、見た目の美しさと芳香があるという点からヨーロッパでは観光資源として利用される。わが国で桜を花見のための観光資源として利用するのに似ている。 また、この花からは良質なはちみつが取れるので、蜜源植物としても栽培される。 花の後にはこれまたトチノキの果実とよく似た果実をつけるが、果実表面にまばらにとげをつける点でも異なる。また、トチの実があく抜きすれば優秀な食材となるのに対し、本種の堅果(ナッツ)は渋みが強すぎて食用にはしない。 イギリスでは本種の種子(コンカー)をよく乾かしてから穴をあけ、糸を通してから互いにこれをぶつけ合い、相手の種子を割ることができたら勝ちというルールの「コンカー」というゲームが子供たちの間で人気となっている。