イモゼリとは、根菜の一種である。
画像出典:(左)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Curtis%27s_botanical_magazine_(Plate_3092)_(8411502204).jpg 「カーティス・ボタニカル・マガジン」第58号に収録されたイモゼリの図。/(左)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Arracacha.jpg 著作権:Fibonacci(CC BY-SA 3.0) 科名:セリ科イモゼリ属 学名:Arracacia xanthorrhiza 原産地:南米 生態:多年草 南米のコロンビアやベネズエラ、ボリビアにかけてのアンデス高地が原産の多年草である。わが国での知名度はかなり低く、経済的な栽培も植物園での栽培もほぼ皆無と言っていい。 草丈は60㎝から1mとなり、葉はセルリーのそれと非常に似ている。根株の周りには側根が密集してできるのが特徴で、主根にはデンプンをため込み、一見すると小さなダイコンのような見た目である。たいていは白ないしはクリーム色だが、黄色や橙色、紫色になる品種もある。この部分が野菜としてシチューや煮物、フライに調理して食用にされ、ニンジンを思わせるような香りと食感、風味を持っている。 胃の潰瘍や体の傷口を修復する有効な働きがあるとされ、薬としても用いられる。もともと高地が原産であるためか、かつてヨーロッパにも導入された経歴があるが、本種の普及には成功しなかったという。