とうせん坊 のバックアップ(No.1)

とうせん坊は、岩手県に伝わる昔話である。

ストーリー Edit

昔、現在の岩手県のある村に、一本足の高下駄を履いて松明を持ち、破壊と虐殺の限りを尽くしたとうせん坊という男がいた。
もともと、とうせん坊は生まれてすぐに両親の存在を知らずに育ち、北上川流域のお寺に預けられていたが、体ばかりが大きくなり頭は鈍いままで、なかなかお経を覚えることができす、いつも寺の僧侶や子供たちに「うすのろ」「大飯喰らいの役立たず」とののしられていた。
とうせん坊はそんな彼らを見返してやりたいと、観音堂に100日間こもり、自身に百人力の力をつけてくれるよう祈り続けた。そうして、100日目に観音様はとうせん坊に手毬を渡し、とうせん坊はそれを食べて力をつけた。
早速、秋祭りの奉納相撲に参加したとうせん坊だが、自身の力を制御することができず、対戦相手を次々と殺してしまった。そうして村の人々から迫害され、とうせん坊は山での生活を余儀なくされた。
しかし、とうせん坊が少し留守にしている間に、村の若者たちがとうせん坊の家を見つけ、奉納相撲の報復として、鍋の中に脱糞して帰った。帰宅したとうせん坊はこれを見て怒りに燃え、下山して村を襲撃した。家畜や村人を無差別に虐殺して回った。村の花見が行われた際も、桜の大木の木陰に身を潜め、浮かれ切っている村人を女子供まで殺して回り、それ以降、その村から姿を消したのだった。
やがて、とうせん坊は越前(福井県)の東尋坊を訪れていた。とうせん坊はこの地の景色をいたく気に入っていた。そうして、とうせん坊の後ろで宴会をしていた数人の男たちが、とうせん坊を優しく酒盛りへと誘った。勧められるがままに酒を飲んだとうせん坊は、いつしかすっかり眠ってしまった。眠りながら、とうせん坊は幼い日のうっすらとした、母の子守歌の記憶を思い出していた。
しかし、男たちの怒号でとうせん坊は目を覚ました。自分の体が縛られていることに気づくも、時すでに遅し。男たちに担ぎ上げられ、崖から投げ飛ばされるところであった。とうせん坊は悔し涙を流してひたすら母の名を呼び、崖下に消えていった_________
それ以来、東尋坊の近くに住む人々は、そこで吹く風を「とうせん坊」と呼んで恐れた。とうせん坊の祟りだと、皆噂したという____________

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